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仕事も育児も!「産後パパ育休」を取得した社員へインタビュー

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育休は女性だけじゃない!「産後パパ育休」制度について

育児休業は性別を問わず取得できることをご存知ですか?

赤ちゃんの出生後8週間までは女性は産休に入りますが、2022年の育児・介護休業法改正により、その間、男性も「産後パパ育休」を取得することができるようになりました。
そして同法では男女問わず「子が1歳に達するまでの間、2回に分割して休業することができる」と定められています。

育休というとまだまだ女性が取得するイメージが強く、全国的にもなかなか男性が長期の育児休業を取得するケースは珍しいのが現状です。

そんな中、当社の男性社員が1か月間の産後パパ育休を取得しましたので、お話を聞いてみました!

育児休業を取得した森さんにインタビュー!

●普段担当している仕事について教えてください。

人事総務グループの人事担当として、各種制度や施策の設計運用・評価システムの管理等を行っています。
直近ではグループ会社のタクシー配車センターのサポート業務を行ったりもしています。

●育児休業を取ろうと思ったきっかけは?

9月に第一子となる長女が生まれました。もともと妻と私は、両親に負担を掛けないように、できるだけ自分たちの手で子育てをしたいという思いがありました。
子供が生まれた当初は「妻は産休・育休で育児に専念できるし、自分が在宅勤務だったら近くでいつでもサポートできるし、育児なんとかなるのでは??」と思っていたのですが、まったくそんなことはありませんでした…。

新生児って本当に手がかかるんですね。
育児本やネットでいろんな情報を見ていたので、頭で分かってはいましたが、想像の上を行きました。
2,3時間おきのミルク、おむつ替え、沐浴、理由のわからないぐずり泣きに寝かしつけなどなど、目も手も頭も、ずっと赤ちゃんから離れられません。
在宅勤務をしていたからこそ、すぐ隣にいる妻と娘の様子がわかり、その大変さを身に染みて感じました。
特に夜泣きは心身ともに削られる思いでした。
今では泣き方やタイミングで、なんとなく何が原因で泣いているのかが分かるようになってきましたが、
当初は藁にも縋る思いで、ネットでひたすら情報を探しては赤ちゃんと向き合う毎日でした。

そんなこんなで常に寝不足でストレスが溜まり、在宅勤務での仕事にもなかなか集中できませんでした。
これは育児に専念しないと、心身ともに持たないと思い、育児休業を決意しました。
そこで、上長に相談させていただき、生後約3週間後の10/1から10/31まで1か月間のお休みを頂くことになりました。

●周りの反応はどうでしたか?

在宅勤務で困っていた時、実は同じ部署の方から育休を勧めていただきました。
また、他の人事総務の方々の反応もとても肯定的で有難かったです。
反対や否定をされるようなことは全くありませんでした。
「とにかく今は育児に専念しなさい」「1か月で足りる?」といった反応がありました。
出産育児経験のある先輩社員の方からの、育児制度に関する案内やアドバイスがとても心強かったです。
今の自分の状況が理解・想像でき、気持ちを共有できる方とお話しできるだけで心が少し軽くなりました。
仕事の引継ぎも含め、とても気持ちよくスムーズに育休に入ることができ、本当に周りの方々に恵まれたと感謝しています。

●1か月の育児休業を終えてみてどうでしたか?

育休をとって本当によかったと思います。妻とともに赤ちゃん中心で過ごした1か月でした。
逆に育休を取らずに今まで通り過ごしていたと想像すると、私も妻もどこかのタイミングで心身が崩壊していたと思います。
育児や家事の負担を分散し、適度にガス抜きしつつ協力して行うためには、私の育休は必須でした。
また大変な一方で、近くでいろんな成長や変化を間近で見ることができ、幸せな時間を過ごせました。
期間としてはあっという間でした。
皆さんそうだと思いますが、どれだけあっても足りない気がします(笑)
ありえないくらい可愛いので、会社に行かずに一緒にいたいというのが本音です(笑)

●ご家族の反応は?

両親は1か月も育児休業を取得できることに驚いていました。
特に父は私たち兄弟が生まれてすぐ働いていたため、今更かなり申し訳なさそうにしていました(笑)
お義母さんからは「家事や育児に積極的で本当にありがたいねえ。そんな人なかなかいないよ~」とのお言葉をいただきました。
絶賛育児中であり育児休業取得の先輩でもある兄は「おー、育休とったんやな」くらいの反応で、男性であっても取得は自然といったリアクションでした。
男性が育休を取らないことが当たり前だった世代と今の世代では、受け取り方にかなりギャップがあるような気がします。数十年で世間も常識も変わるものだと感じました。

●育休明けの復帰後、変わったことは?

子供が生まれてからというもの、自分の中の最優先が子供になりました。
生後2か月になった今でもふと、「自分って父親になったんだ。」と、当たり前のことを自覚することがあります。
普通のことだと思いますが、それが一番大きい変化だと感じます。
妻と結婚した時に、自分の人生が自分だけの人生でなくなってしまった感覚がありましたが、
子供ができたことにより、その感覚がより強くなりました。子どもの命と育てる責任を感じ、ただでさえ不安症の自分ですが、あれこれ考えすぎる癖に拍車がかかった気がします(笑)
それでもこれからも嬉しい悩みを沢山抱えて生きていくんだろうと思います(笑)

また、育休を通して育児の大変さを実感し、世の中のお母さん方に対して尊敬の念が深まりました。
少子化が叫ばれる世の中ですが、政府には、子育て世代のリアルな意見をもっと取り入れて、より安心して子供を生める・育てられる社会にしてほしいと思います。

自身の今後の働き方については、まだ特に具体的なビジョンはありません。
不在期間にご迷惑をおかけした分、感謝の気持ちをもって、精一杯頑張って恩返しをしたいという気持ちです。

●記事を見ているみなさんへ伝えたいことは?

男性の方であっても、育休は絶対に取った方がいいと思います。
いや、自分の大切な人のために育休を取ってあげてください。
女性の方の場合は、旦那さんに「あなたと一緒に育てたい」と激押ししてください。

それぞれの家庭事情や職場の状況にもよるとは思いますが、
「仕事の穴はほかの誰かが埋めてくれますが、親であるあなたの代わりはいません!」
とよく言われる言葉があるように、自分の一番大切な家族ほど大事にすべきものなどないと思っています。

また、私が今回の経験を通し皆さんにお伝えしたいのは、頼れるものには遠慮なく頼って、
身近な人と共有することがどれだけ救いになるか、ということです。

生まれたばかりの赤ちゃんと向き合うことは、決して自分の思い通りにはいきません。
赤ちゃんは言葉も分からないし、表情や空気を察することもできません。
親である私たちは大人ですが、ストレスが溜まって当然です。
だからこそ、家族や友人など身近な人と共有することが大切だと思います。
状況が全く同じでなくとも、気持ちをわかってもらえるだけで安心します。
案外、周りの人は自分が思っている以上に協力的です。
新生児育児において、孤独は最悪です。
深夜一人で大泣きをしている赤ちゃんをあやしている時に、
めちゃくちゃにかわいいはずの自分の子供なのに、放り出してしまいたくなる瞬間もあります(笑)
私の場合、幸いにもお互い実家が県内で近くに住む兄夫婦に子供がおり、家族からのサポートが得やすい環境であることが非常にありがたいです。
ベビーバスや着られなくなった服をもらったり、お家にいって話したり、本当に身近な人に救われています。

無理せず頑張りすぎない程度に、育児を楽しむ!
育児はこれから山のように問題や大変なことが待ち構えているようですが、
考えすぎず、いろんなサポートを得ながら頑張っていこうと思います。
先輩の御皆様方、どうか温かいアドバイスのほどよろしくお願いいたします。

最後になりますが、このような機会をいただきましてありがとうございました。
1か月を振り返りながらアウトプットすることで、自分の気持ちを整理することができました。
私の経験が、どこか一部分でも誰かの役に立ったり、「そんな時期もあったなあ」と子育てをしていた時の気持ちを思い出すきっかけになったりすれば幸いです。

森さんの上司よりコメント

「私の場合(30年弱前)、育児は奥さんに任せっきりで夫婦仲が危機的状況になった記憶があります。
法改正も行われ以前より取得しやすくはなりましたが、やはり周囲のメンバーの理解とサポートが必要ですね。
人事総務グループでは育休開始前に森さんに休業期間中の業務をピックアップしてもらい、メンバーで業務分担を検討しました。
おかげで育休期間が1か月間ということもあり特段問題なく実施できたと思います。
育休取得を希望される場合は早めに上長に相談することがカギだと思います。
早めに打診してくれれば、そのための準備もできますが、急に言われると対応が難しいケースもあり得ますので、
普段からのコミュニケーションが大事ですね。」

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当社は、誰もが働きやすい環境整備のために、様々な休暇制度や在宅勤務制度などを導入し、人的投資を積極的に行っております。
人生は何が起こるか分からず、急な病気やケガで入院することもあれば、自宅介護が必要など色々なケースが考えられます。
育児休業においても一人の力ではなかなか取得が難しく、周りの理解とサポートが必要です。
本記事が、誰もがためらいなく育児休業を取得出来るような体制づくりの一助となることを祈っています。